創作文章 獏の骨 

自作短編小説、散文、詩、日常独白雑想

【散文詩】プログラミングと英語

 

 

 

プログラミングと英語だ!と父が昔から口癖のように僕に言っていたのだが僕はそのどちらをも頓挫し、父に顔向け出来なくなった、あの都営団地に住んでた同級生にたった一人だけ凄腕プログラマーになった奴がいると風の噂で聞いたけどそれ以外は、そりゃあ仕事でパソコンも使うしソフトも使うし携帯にはアプリも入っててそれを使うんだけども皆使う側、利用者側でしかないんだ、アプリ開発してどんどんアプリ出してって仕組みだけ作ってあとははい使用料払って勝手に運営してねっていう感じに仕事出来たら…どんだけお金が入るのか考えるとまあ確かに僕も、もっと頑張っていればよかったのかもしれないとぼんやり思うんだけども、先見の明のあった父自身が未だに都営団地に住んでるわけだから先を見通す事と実際の能力との間には、信じ難いほど(信じたくないけれども)溝があるってことを哀しく思うよ、あるときバイト先で、ただの入力作業をしている僕の指先を見て「ブラインドタッチが出来たらいいな」って言ってる人が居てさ、それがまるで…発展途上国か何かの、携帯もパソコンも知らない人から発せられたもののように感じてしまったんだ、識字率と同じでみんなが出来ることには最早意味なんて無いんだよってその人に言ってやりたかったけど堪えたよ、だってさ、文字が書けたからって作家になれるか?よしんば作家になったとて大抵の人の作品は読み捨てられるのがオチでロングセラーなんてめったに出やしないんだ、それと同じで猫も杓子もプログラミングと英語をやって皆が皆ソフト開発をしたりアプリをしこたまこさえたりしても、今までもそうであったようにこれからも数多のソフトは消えてゆき、残るものだけが改良だの改悪だのを加えられて細長い川のように存在し続ける、テクノロジーが文字列で出来ているってのは面白いし人類の進歩を否定してるわけじゃない、ただ個人の幸福が他の人や他の生き物にまで及ぶ意味での追求、これをテクノロジーの第一条件に据えてほしい気はしている、川の氾濫や自然災害を悪しきものとして抑えようとしているのは人間側だけの話で、川はある程度氾濫してミネラルを取り込んでゆくんだ、だから水位や温度や生き物の正測量を測ってそれをいつでも把握して、地球が今どの程度の水準で…人間だけじゃなくて菌類を含めた全生命が自活出来ているのかということを知るようなアプリがあれば自然環境とテクノロジーは幸せな婚姻を結ぶだろう…とか考えている僕自身はただただ、皆が一斉にやり出す物事を酷く斜に構えて捉えてしまうからもういっそ、携帯もパソコンも捨てて山奥へ引っ込みたいって思ってたりするよ。