創作文章 獏の骨 

散文、詩、日常独白雑想

【散文詩】

【散文詩】 メイドイン神

メイドイン神になりたいのあたしは神に造られたものとして生きていたいのいつだってそうメイドイン、〇〇医大の〇〇医師お手製にはなりたくないのあたしは誰の手も加えられたくなんかないだって体の具合が悪くなって別のお医者さんに見せたとたん『君の体は…

【散文詩】 俺に月額千円投資してくれ

俺に投資してくれ月額千円、俺に投資してくれないかだってお前はお前は持ってる人間なんだ、学歴と経歴という実力をお前は持っているその実力を少しだけ、俺に投資してくれないか、俺を助けてくれないかでもその代わり俺はお前を助ける、俺の作品は世の中の……

【散文詩】 奇妙な人

誰にでも理解できる個人的利益の外側を生きている人は独特で、僕は暗にそういう人を苦手だと感じてしまう。デモ行進をする人や、ゴミ拾いをたった一人でやる人や、環境保護活動をしたりする人、差別反対運動をする人…彼らを見た時に感じるのは、そう…いつだ…

【散文詩】 知恵は時間と共に溜まってくんや

何度も何度も同じこと聞いて堪忍袋の緒を、あの若き二人の堪忍袋の緒をしょっちゅうぶち切れさせとったなぁ、今思うと…ハハハ、まあそう怒らんといてぇな。私ら歳を喰えば喰うほどに年齢差の割合が縮まってくるから、あと四半世紀もすりゃあたし、親の歳にな…

【散文詩】 可哀そうな女性

いえお母様それはいけません、あたくし、いくら困っていてもそれだけはやりとうございません。見知らずの人に援助してもらう事はその人に買われるという事にございます…お父様も簡単に仰いますな、女がそれをすると厄介ごとが起こるだけなのです。たとえばあ…

【散文詩】 ヘッドフォンの心音

ここがどこの街かもわからないまま僕は手を伸ばして転がっていたヘッドフォンを拾い上げて耳に当てた射程数十メートルのカラシニコフがまだ現役で働いているその地で耳を塞ぐなんて馬鹿げてると思うだろ?でも僕らには歌が必要で僕らには歌が必要で、銃声を…

【散文詩】 生命の詩

夜の緑の神秘に溶けるふくろうの声を一年ぶりに聴けて私は幸せな気持ちになりました。朝方窓辺に居た蜂にそれを告げると彼女は笑いながら促されるままに外へ出てゆきました。庭には自身の分身に合図を送る純白のアイリスが今か今かと通りに居る別株に目配せ…

【散文詩】 神に祈れば祈るほど 

私が『何』に対して祈っているのかを どうか聞かないでくださいそのようなことは人間には答えられないからです 私がどのような神を信奉しているのかを聞かないでください神のキャラクター神が一点に在るのか点在するのかそんな子供じみた事を 聞かないでくだ…

【散文詩】 サンタムエルテ サンタムエルテ 汝殺すなかれと言うなかれ

土にまみれた白骨を見よ、しかと見よ、己の骨をしかと見よ… どのような人種、民族、階級だったかなどわからないでしょう?そう私は白い貴婦人、白骨の魑魅魍魎たる死の聖母聖母マリアが苦しみと聖霊の母なれば、私は享楽と物理的力の聖母しかと見よしかと見…

【散文詩】 もう二度と俺に聞くな

なんで普通の人間にならないのと、もう二度と俺に聞くななんで普通の人間になろうとすらしないのともう二度と俺に聞くなこうすれば普通になれるでしょああすれば普通になれるでしょ手術すれば普通になれるでしょ痛みを堪えて杖を捨てれば普通になれるでしょ …

【散文詩】 死後実況 ある実況者の独白

長年実況をやってきて最後の瞬間、俺は視聴者…鑑賞者ってものが信じられなくなってしまった。あー、これはちょっと話しにくい事だから名前は伏せさせてくれない?…って言ってもまあ、ゲーム実況者が実況中に死亡、しかもゲーム内でもバットエンドが流れたそ…

【散文詩】 自分の墓を見ているみたい

今までに書いたものを手で掬ってゆくが手に触れたのはあの素晴らしい南の島での思い出、世界一周と決め込んだのにインドで沈没していた日々に書いた日記、そしていくつかの、景色をまざまざと体感したと感じられる地点まで行っている詩と短編小説、数点の絵…

【散文詩】 クリソプレーズ(緑玉髄)の招き

手にしたクリソプレーズの研磨石は土産屋で売られていた当時のままに耀いている、珪藻類の歓喜の色か、はたまた魂の色なのか…緑という色は生命を超えて死をも表している、あの時のダムのように。 目の前に内部から輝くような緑色の水、抹茶のようでもあり、…

【散文詩】 誰にとっても自分と神様しか居なかったのだ

土を手に取り脆くなった落ち葉を陽光に照らす、土になりつつある落ち葉の隙間から見える世界は春爛漫である。世界を認識する眼は根本的にはこういうもので、酷く小さく穿たれた歪んだ穴でしかない。それを普段は全く認識せずに叫ぶのだ、光だ、光だ、光が見…

【散文詩】 ほれここ、チャートで週足、5年単位で見てみい?

ほれここ、チャートで週足、5年単位で見てみい?去年の今頃は株価ダダ下がりで底値割る勢いや。それでもこの会社は…あーこれサラ金会社か、ハハ、表のな、配当性向、まあわかりにくいからペイアウトっちゅう呼び方しとるけどな、ペイアウト207%や、つまり…

【散文詩】 10年カレンダー

いつだったか10年カレンダーって物が出回ったときに唐突に自殺者が急増したらしい。僕はほんの些細な事柄を整理したくて日課や貯金率を日付に照らし合わせていたんだ。春の日はのどかで世界は一時停止しているみたいで、菜の花が咲き乱れて景色全体が黄色く…

【散文詩】 苦い苦いマリアの涙よ祝されよ

天使祝詞を口にすると苦みが走る。御胎内の御子イエズスも祝され給うと果たして誰が言い得るのか、この矛盾に関わらない人間は一人も居ない。ゴミ拾いの最中に手に取ったのは妊娠初期のエコー写真。ポラロイドみたいな即席写真は女の手のひらに収まるくらい…

【散文詩】 芥子色のワンピース

『夏の夕暮れにでも着るといいわ』そう言って手渡された芥子色のワンピースをまだ若かった私は相手に必死に押し戻して言う。 「…あのねえ夏の夕暮れなんて来やしないんだから、今までだって夏を過ごしてきたけれど素晴らしい夕暮れってものに、あたしはつい…

【散文詩】 神のみにて足りる

魂が常に全てに帰結しているとわかったとき 祝福は訪れる 誰にもわからない涙と共に魂が常に全てに起因しているとわかったとき 許しが訪れる 誰にも理解されない微笑みと共に魂が常に分け与えられているとわかったとき この世の全てに 初めから欠落の在る事…

【散文詩】 囚人たちの作った銀の十字架は

囚人たちの作った小さな銀の十字架は春の光を受けて輝いている母さんはこれをペンダントにして僕の首にかけてくれたこの十字架は囚人たちの改悛の涙で出来ているんだそんな風に神父様は言って聖別してくれたけど僕は黙って実は兄さんもあの刑務所に居るんだ…

【散文詩】 もう四月が来る

レインコートを打つように降る雨粒を浴びて、泳ぎたいから雨の中を歩く。大気の水分濃度からすると水中とも呼べそうなほどの水しぶきは何処か、暖かい海の匂いがする。体中の空気が冬から春に入れ替わったとわかるくらいに歩いて、庭先に戻ってきたら一昼夜…

【散文詩】 あまりにも素晴らしい物語

素晴らしい物語の終わりに一人の人間が絞り出すように言った、『生きることの無意味さを受け入れたい』その人間が物語の登場人物なのかそれとも鑑賞者のうちの一人なのかすらも曖昧な感覚世界に於いてこの言葉は呼応し、この物語に纏わるありとあらゆる人々…

【散文詩】 山の神の去来

人間の世界が本当にあったかどうかさえもわからなくなった時に来訪者が戸を叩いた、理由は固定資産税の支払いらしい…僕は山奥の住居を小学生のお年玉みたいな値段で買い取って早数年好き放題に暮らしていた、地面には土があり植物が居る、足元に芽吹く草を黙…

【散文詩】 それがために命までかけてふて寝した

住みたくない街の住みたくないアパートに無理やり住んでいた時の事、一階でボヤ騒ぎが起こった、白煙が充満していた、でも三階に住んで居たあたしは疲れ果てていたせいもあって逃げなかった、直感が逃げなくてもいいと言っていたというのがその時のあたしの…

【散文詩】 佯狂者

神の子が地上で磔刑に処されてから幾百年、牧草地を横切り、荒野を彷徨い歩きながら素裸の佯狂者の男は両手を世界へ向けて広げた、全ては神の恩寵に包まれていた、人間世界はその中に在って実に閉鎖的に機能している、雪の降る中でもこの男は裸であったし酷…

【散文詩】 手のひらの大きな三角紋

頭脳線、生命線、財運線が手のひらの中で結びつき、大きな三角紋を示す相は手相上でもかなりの吉相で、大きな幸運が見込まれると言う…女は自分の手のひらを見て何だか最近手相が変わったような気がすると思っていた、手のひらに大きな三角形が現れている、結…

【散文詩】 セーラームーンが観れなくて

セーラームーンが観れなくて泣いたことがある、幼少期から女性との接し方がよくわからず、それでも、僕は女だし女と仲良くしなきゃならないと思ってみても女の子の最低限のその最低限の線引きに自分がどうしても満たないので、いつももどかしさを感じていた…

【散文詩】 間引き詩

蕾や蕾 この庭の主を許しておくれ増えすぎた球根のどれが誰なのかお前たちにはわかるまい我を持たぬお前たちには初めに植えたその一株が数十株にも増えたそのわけすらわかるまいそれを聖愚と言うのだ蕾や蕾 この庭の僕を許しておくれ黒よりも深い青の花弁も…

【散文詩】 黄色い花 (アジア人ヘイトクライムに対する詩)

言葉の無い世界で福寿草が黄金色を力いっぱい広げ、水仙は黄色い花弁を覗かせて立ち上がり踊る、この踊りは実は演武で、命が個々の平和を願う時に必然的に発生する言葉なき闘いでもあるのだ、言葉のある世界でジョンレノンがいくらエンドレスで歌っても僕ら…

【散文詩】 ストロングの独白

日の丸印の中央に書いてあるのはアルコールの文字、俺の視覚の中央に鎮座まします酒大御神、どんなときにも視覚画面中央について回る酒神様のお姿よ消えてくれ、それを打ち消すためにああ南無妙法蓮華経と俺は幼少期に覚えた言葉を必死に唱えて抵抗している…